損害賠償額の計算方法については、多数の交通事故を裁判所が裁いていく中で、おおよその相場、すなわち「裁判所基準」というものが確立しています。このような「裁判所基準」が「交通事故損害賠償算定基準(通称 赤い本)」などの文献にまとめられて、賠償金算定の「バイブル」として機能しているのです。
我が国の法制度では裁判所のみが損害賠償額を定める権限を持っているので、「裁判所基準」こそが、唯一の権威ある正しい基準ということになります。
ところが、我が国の保険会社は、唯一の権威ある正しい「裁判所基準」を無視して、何の根拠もない「保険会社基準」というものを勝手に作り、それに基づいて被害者との示談交渉を行っているのです。
例えば、ある被害者の方は「追突事故によるむちうちで約4.5ヶ月間、おおむね3日に1度の通院治療」を行いました。
小倉駅前法律事務所の弁護士がこの方の入通院慰謝料を計算したところ、
「裁判所基準」により、「73万円」という金額が算出されました。
ところが、加害者側保険会社は
「保険会社基準」により「37万8000円」を提示してきました(※)。
このように、「保険会社基準」と「正しい裁判所基準」では、金額が全く異なるということを、十分に認識しておく必要があります。
被害者が、保険会社による提示金額の不当さを見抜いて、「裁判所基準」による適正な金額の支払いを求めたとしても、保険会社は「裁判所基準は訴訟された場合の基準ですから」などと言って相手にしてくれないでしょう。
これは、訴訟を起こすことが被害者にとって大きな負担になることを見越して、足下を見ているのです。
しかしながら、被害者が本当に訴訟を起こせば、最終的には「裁判所基準」どおりの判決が出るので、さすがの保険会社も従わざるを得ません。
従って、交通事故の処理については、訴訟提起を積極的に検討するべきです。
ただし、保険会社の提示する金額が常に不当であるわけではなく、例外的に保険会社の提示が不当でない場合も存在します。
従って、訴訟を起こす前に、訴訟によって金額が上がるケースなのかどうかをよく検討しておく必要があります。
また、後遺障害がある場合には、裁判を起こすより先に、自賠責保険等に「後遺障害の申請」を済ませておくのがセオリーとなります。
どのようなケースにおいて、どのようなタイミングで訴訟を起こすべきかは、交通事故に強い被害者側弁護士にご相談下さい。
※ その後、小倉駅前法律事務所の弁護士が訴訟を提起し、裁判所基準とほぼ同額の解決になりました。
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