逸失利益の計算に当たっては、まず、被害者の労働能力を「基礎収入」という形で数値化し、計算の基礎とすることになります。
このような「基礎収入」については、基本的に、休業損害における基礎収入と同じような考え方になりますが、大きく異なるのは、ここで考える収入が「後遺障害が残った後働けなくなるまでの長期間に渡る平均的な収入」であるということです。
後遺症が残った時にまだ若く、その後の昇給等が考えられるのであれば、それらも含めて「賃金センサス」などの統計により得た平均的な数値を計算する必要があります。
なお、賃金センサスを用いる場合、「事故発生の年度」、「後遺障害の定まった症状固定の年度」、「訴訟中も含めた最新の年度」のどれを用いればよいか、という疑問があり得ますが、「どの時点のものが論理的に正しいとは言えず、口頭弁論終結時までのあらゆる資料を利用できると考えるべきであろう」(※)とされています。
以下では、赤い本の記載を前提として、色々な立場の方の基礎収入について簡単にご説明します。
とされます。
例えば25歳男性のサラリーマンAさんの場合、事故前年の年収が300万円だったとしても、20年後ころには倍以上に増額している可能性があります。
このような人の「67歳までの期間の減収額」を、「25歳の時の低い年収」で計算すると不当に低額になるので、「サラリーマン全体の平均的な年収」で計上しようというわけです。
なお、平成24年の統計による男性サラリーマンの平均年収(全ての学歴、全ての年齢の平均)は536万0400円となっていますので、Aさんについてはこのような数字を用いることが考えられます。
とされます。
基本的に休業損害の場合と同様です。
なお、平成26年の女性サラリーマンの平均年収(全ての学歴、全ての年齢の平均)は、364万1200円となっておりますので、このような数字を用いることになります。
とされます。
基本的に休業損害の場合と同様です。
とされています。
基本的に休業損害の場合と同様です。
税金の申告を「正しい年収額」でしていれば問題は少ないのですが、実際には低く申告されている方が多いため、そのような場合には問題が生じることになります。
とされます。
例えば、幼児や中学生の男子については、基本的に、「18歳から67歳まで、全ての労働者男性の平均的な賃金を稼ぎ続ける」という設定で計算を行います。
他方、幼児や中学生の女子については、「18歳から67歳まで女性平均賃金」ということになりそうですが、この点については、男女平等に配慮する見地から「女性の労働者も将来的には男性と同程度の評価を受けるであろう」という想定の下に、「男女を含めた全労働者の平均賃金」を稼ぐという設定で計算を行っています。
なお、大学生については、「学歴計」ではなく、「大卒」の賃金センサスによるので、基礎収入が若干上がりますが、他方で就労開始時期が遅れる計算になります。
とされます。
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