むち打ち１４級の逸失利益

むちうち１４級の慰謝料、逸失利益

３０代女性
「先日、信号待ち停車をしていたら後続車に追突され、衝撃でむちうち（頸椎捻挫）になりました。
「先日、加害者側のＡ保険会社から『後遺障害１４級９号が認められました』という連絡があり、後遺障害に対する損害金＝７５万円で示談したいと言って来ました（※）。この金額は妥当なのでしょうか。」

「それは非常によくあるお話ですね。被害者に後遺障害１４級９号が認められた場合、加害者側の保険会社は『７５万円で示談しませんか』と言ってくることが多いのです。」
「しかしながら、後遺障害１４級９号が残ったことによる慰謝料は、裁判所基準によれば１１０万円ですから、保険会社の提示が不当に低額であることは明らかです。」
「しかも、後遺障害が残っている方には、今後の労働に支障が出るということで慰謝料とは別に逸失利益というものが認められることもあります。」

「私は専業主婦なんですが、逸失利益は認められるのでしょうか。」

「家族のために家事をされている方は『今後の家事労働に支障が出る』ということで、逸失利益が認められます。細かい計算は省略しますが、主婦の方のむちうち１４級９号であれば、７０万以上の逸失利益が認められる場合が多いでしょう。」
「慰謝料と合計すると、１１０万円＋７０万円＝１８０万円以上ということですね。」

「そうすると、Ａ保険会社は、１８０万円以上払うべき被害に対して『７５万円で示談しましょう』と言っているわけですか？」

「そうです。実は、１４級の後遺障害が出た被害者には、自賠責保険から上限７５万円までは出ることになっているのです。今回のＡ保険会社は、あなたに７５万円を払っても、その後に自賠責から７５万円を回収することができるので、手出しはゼロなんです。」

「そんな理由で不当に安い金額を提示してきたとすれば、腹が立ちますね。」

「保険会社の方はあくまで加害者側の立場なので、仕方がない面はあると思います。被害者としては、保険会社に頼るのではなく、自分自身でよく考えて適切な手段を行使していく必要があります。」

※　本文中にも記載しましたが、後遺障害１４級に対して、損保会社が「７５万円で示談しませんか」と提示してきた実例は多数あります。例えば、「後遺障害の慰謝料が３２万円、逸失利益が４３万円、合計７５万円でどうでしょうか」などと提示してきます。